政雄先生も無事、沖縄へ帰られたようです。帰るなり「反省会する!」
と言ったくらいお元気だそうで。
自分があの年齢になったときに果たしてあそこまでの体力があるかどうか…
政雄先生は三線の職人でもあるので上等三線を作ります。オレとさっちゃん
が使っている三線も照屋政雄作のが何本もあります。
そのうちの1本。今年の7月に届きました。
真壁型 カミゲン スンチー塗り
キレイな鶉目が入っています。
カミゲンとはフィリピンの南方ミンダナオの近くのカミギン島で採れる、
沖縄の黒木と同様の材です。生育環境が似ているからだという説も
あります。
黒木とはいわゆる黒檀です。
呼び名は似ていますが、カマゴンと呼ばれる材は同じくフィリピン産
ではありますがカミギン島産ではありません。
沖縄では、三線にとって最高級材である八重山黒木を始め、県産の
黒木はもう何十年前に枯渇、伐採禁止となり、現在では輸入材が
主流となっています。
沖縄で古民家を解体した際などに出る黒木の床柱などは100年前の
黒木が使われていることもあり、値段はものスゴイことになります。
もちろん、県産黒木には良い材が多いのですが、カミゲンと呼ばれる
この材にも良い材が多いことで有名です。
照屋政雄先生はこの材を何十年も前に購入して寝かせて来ました。
楽器に使う木材にとってもっとも重要な乾燥をさせるためです。
初心者入門用などの価格が低めの三線は、ベトナム産の材を
人工乾燥させたものです。天然乾燥では時間が掛かりすぎて
コスト的に合わないからです。
人工乾燥させた材を使って作った三線は個体によっては歪みやゆがみが
出る場合があります。もちろん、2-3年は大丈夫ですが。
本皮張り上等棹三線は年数を掛けて弾き込み、育てればどんどんと
上等な音になって行きます。人工皮、強化張り皮ではなかなかそうは
なりません。
その代わりメンテナンスの必要もありませんし、ケースに入れたまま
放ったらかしにしていても破れることもありません。
本皮三線は弾いてやっていれば音の振動で皮が伸縮し破れることは
ありませんが、弾かないと皮が固くなり、特に乾燥する内地の冬に割れる
ことがあります。
ですから、上等三線を持つということは子供を育てるのと同じ責任が
生じるのです。また、成長を見る(聴く)のが楽しみでもあります。